助成金

特定求職者雇用開発助成金は60歳以上も対象?2026年5月からの新条件と助成額

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、60歳以上の高年齢者を雇用する場合も対象となる助成金です。

中小企業が対象者を雇い入れた場合、週の所定労働時間が30時間以上なら60万円、20時間以上30時間未満なら40万円が支給されます。

ただし、2026年5月1日以降の職業紹介から、60歳以上の対象者に「就労に向けた個別支援を受けていること」という要件が追加されました。年齢だけでは助成対象になりません。

この記事では、2026年11月8日時点の公式資料をもとに、60歳以上の対象条件、助成額、対象となる採用方法、申請時の注意点を解説します。

特定求職者雇用開発助成金は60歳以上・65歳以上も対象

特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コースでは、60歳以上の高年齢者が対象者に含まれます。65歳以上の方も対象となるため、60~64歳に限定された制度ではありません。

ただし、60歳以上という年齢要件に加え、ハローワーク等による職業紹介や継続雇用などの条件を満たす必要があります。

2026年5月1日から60歳以上の対象条件が変更

2026年5月1日以降の職業紹介から、高年齢者の対象条件が変更されました。

職業紹介日 60歳以上の対象条件
2026年4月30日以前 雇入れ時の年齢が60歳以上であること
2026年5月1日以降 雇入れ時の年齢が60歳以上であり、紹介日にハローワーク等で就労に向けた個別支援を受けていること

今回の変更で確認すべきなのは、採用日ではなく職業紹介日です。

2026年5月1日以降に紹介を受けた60歳以上の求職者については、紹介日時点で個別支援の要件を満たしている必要があります。

個別支援を受けていれば必ず対象になる?

個別支援を受けているだけで、自動的に助成金の対象になるわけではありません。

厚生労働省は、2026年5月1日以降について、原則として「特定求職者雇用開発助成金の対象労働者であること」を明示した職業紹介を行った場合に支給申請が可能となる旨を案内しています。

60歳以上の方を採用する前に、ハローワーク等へ助成金の活用を希望していることを伝え、対象者として紹介を受けられるか確認しましょう。

60歳以上を雇用した場合の助成額はいくら?

特定求職者雇用開発助成金では、対象者の所定労働時間と企業規模によって助成額が異なります。

所定労働時間 中小企業 中小企業以外
週30時間以上 60万円 50万円
週20時間以上30時間未満 40万円 30万円

上記は60歳以上の高年齢者について、支給要件を満たした場合の1人当たりの合計助成額です。助成対象期間は1年間で、6か月ごとに2回に分けて支給されます。

中小企業は半年ごとに20万~30万円

  • 週30時間以上:30万円×2期=合計60万円
  • 週20時間以上30時間未満:20万円×2期=合計40万円

支給額は一括払いではありません。また、支給対象期に支払った賃金額が上限となり、実際の労働時間や賃金額によって減額される場合があります。

助成金の対象となる採用方法と対象外のケース

60歳以上の方を採用する場合、採用経路も重要です。

ハローワーク等からの職業紹介が必要

特定求職者雇用開発助成金では、原則として次のような機関による職業紹介を通じた雇入れが必要です。

  • ハローワーク
  • 地方運輸局(船員の場合)
  • 所定の要件を満たす民間の有料・無料職業紹介事業者
  • 所定の要件を満たす特定地方公共団体等

民間の職業紹介事業者であっても、すべての紹介が助成対象になるわけではありません。本助成金を取り扱える紹介事業者か確認する必要があります。

オンライン自主応募や直接応募は対象になる?

ハローワークインターネットサービスのオンライン自主応募や、企業への直接応募は、原則として助成金の対象となる職業紹介に該当しません。

オンライン自主応募は、求職者が求人へ直接応募する仕組みであり、ハローワークによる職業紹介とは区別されます。

また、ハローワーク等による紹介を受ける前に採用選考を開始していた場合も、対象労働者の要件を満たしません。

助成金の活用を予定している場合は、面接や採用選考を始める前に紹介方法を確認してください。

雇用契約と事業主が満たすべき条件

特定求職者雇用開発助成金は、対象年齢と紹介方法を満たしても、雇用条件や事業主の要件に問題があれば支給されません。

継続雇用が確実であること

正規雇用、無期雇用のほか、一定の有期雇用も対象です。

有期雇用の場合は、対象労働者が希望する限り更新できる自動更新契約である必要があります。勤務成績等によって更新の有無を判断する契約は対象になりません。

また、雇入れ時点で、65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ雇用期間が継続して2年以上となることが確実であると認められる必要があります。

事業主側の主な要件

  • 雇用保険の適用事業主である
  • 対象労働者へ賃金を支払っている
  • 労働保険料を滞納していない
  • 採用日前後6か月間に事業主都合による解雇等を行っていない
  • その他の離職状況や雇用関係助成金の共通要件を満たしている

このほか、対象労働者が紹介時点で在職者ではないことや、過去に採用事業所との一定の関係がないことなども確認されます。

助成金の申請方法と期限

60歳以上の高年齢者を採用した後は、支給対象期ごとに申請します。

  1. ハローワーク等へ求人を提出し、助成対象となる紹介を受ける
  2. 対象労働者を継続雇用する
  3. 第1期の支給対象期終了後に申請する
  4. 労働局等の審査を受ける
  5. 支給決定後、助成金が振り込まれる
  6. 第2期も同様に申請する

支給申請期間は、各支給対象期の末日の翌日から2か月以内です。

支給対象期は起算日から6か月ごとに区切られます。起算日は雇入れ日や賃金締切日によって異なります。

申請時には、支給申請書、雇用契約書、出勤簿、賃金台帳などを提出します。

なお、2026年4月以降の支給申請では、賃金台帳の添付が確認できない場合は不支給となる旨が案内されています。

よくある質問

Q. 65歳以上を採用しても60万円の対象になりますか?

65歳以上の方も高年齢者の対象区分に含まれます。中小企業で週30時間以上の雇用なら合計60万円、週20時間以上30時間未満なら合計40万円が基本額です。ただし、個別支援、職業紹介、雇用契約などの支給要件を満たす必要があります。

Q. 2026年5月1日より前に紹介された人にも新条件が適用されますか?

2026年5月1日より前の職業紹介については、今回追加された個別支援の要件は適用されません。ただし、従来からの職業紹介や継続雇用などの要件は必要です。

Q. 週20時間未満のパートも対象ですか?

今回の60歳以上の高年齢者に対する助成額は、週20時間以上の所定労働時間を前提としています。週20時間未満の雇用は、この区分の助成対象になりません。

まとめ|60歳以上の採用は紹介前の確認が重要

特定求職者雇用開発助成金では、60歳以上だけでなく65歳以上の高年齢者も対象となります。中小企業の助成額は、週30時間以上で60万円、週20時間以上30時間未満で40万円です。

一方、2026年5月1日以降の職業紹介から個別支援の要件が追加されています。採用を決めてから助成金を検討するのではなく、求人提出・職業紹介の段階で対象となるか確認することが大切です。

参考(2026年11月8日確認):厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」/制度概要リーフレット(令和8年3月5日版・PDF)

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