キャリアアップ助成金の正社員化コースは、正社員転換後6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内に、第1期の支給申請を行います。
重点支援対象者については、さらに6か月間雇用した後、第2期の申請も可能です。ただし、すべての対象者が第2期まで申請できるわけではありません。
また、支給申請とは別に、正社員転換の前日までにキャリアアップ計画を提出する必要があります。
この記事では、2026年度の公式資料をもとに、第1期・第2期の申請期限と必要書類、提出前のチェックポイントを整理します。
キャリアアップ助成金・正社員化コースの申請期限
正社員化コースの申請期限は、正社員転換日から一律に数えるのではなく、対象となる6か月分の賃金を支払った日を基準に判断します。
| 区分 | 申請できる時期 | 対象者 |
|---|---|---|
| 第1期 | 転換後6か月分の賃金支払日の翌日から2か月以内 | 支給要件を満たす対象労働者 |
| 第2期 | 第1期の次の6か月分の賃金支払日の翌日から2か月以内 | 重点支援対象者のみ |
例えば、正社員転換後6か月分の賃金を2026年10月25日に支払った場合、第1期の申請期間は2026年10月26日から12月25日までとなります。
この例は、10月25日が対象となる6か月分の最終賃金支払日である場合です。実際の期限は、給与締日・支払日や賃金の対象期間によって変わります。
申請期限の起算日を間違えないことが重要です。基本給と残業代の支払日が異なる場合などは、対象期の賃金支払日を正しく確認してください。
第1期と第2期の違い|誰が2回申請できる?
2026年度の正社員化コースでは、重点支援対象者は2期に分けて助成金を受けられます。一方、重点支援対象者以外は原則として1期分のみです。
2026年度の助成額
| 対象者 | 転換前の雇用形態 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|---|
| 重点支援対象者 | 有期雇用 | 80万円(40万円×2期) | 60万円(30万円×2期) |
| 重点支援対象者 | 無期雇用 | 40万円(20万円×2期) | 30万円(15万円×2期) |
| 上記以外 | 有期雇用 | 40万円(1期) | 30万円(1期) |
| 上記以外 | 無期雇用 | 20万円(1期) | 15万円(1期) |
※上記は基本の助成額です。雇用期間が通算5年を超える有期雇用労働者は、助成金上、無期雇用労働者とみなされます。
重点支援対象者に該当する条件
重点支援対象者は、次のいずれかに該当する労働者です。
- 雇入れから3年以上の有期雇用労働者
- 雇入れから3年未満の有期雇用労働者で、過去5年間の正規雇用期間が合計1年以下、かつ過去1年間に正規雇用されていない者
- 派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者など
重点支援対象者の判定は、雇用契約書や職歴、該当する要件の確認書類などに基づいて行います。
長く勤務しているという理由だけで、必ず2期分の助成金を受けられるわけではありません。転換前の雇用形態や雇用期間も確認してください。
キャリアアップ計画は正社員転換の前日までに提出
キャリアアップ助成金の正社員化コースでは、支給申請の前に準備する手続きがあります。
- キャリアアップ計画を作成し、正社員転換の前日までに提出する
- 正社員転換制度を就業規則等に規定する
- 就業規則等に基づいて対象労働者を正社員転換する
- 転換後6か月分の賃金を支払う
- 第1期の支給申請を行う
- 重点支援対象者は、さらに6か月分の賃金を支払った後、第2期を申請する
正社員転換後6か月間の賃金は、転換前6か月間の賃金と比較して3%以上増額している必要があります。
また、助成金上の正規雇用労働者には、転換時点で「賞与または退職金の制度」と「昇給」が適用されていることなどの要件があります。
キャリアアップ計画は、支給申請のタイミングで初めて提出するものではありません。正社員転換前日までの提出と、就業規則等への転換制度の規定を事前に確認してください。
正社員化コースの申請書類・チェックリスト【2026年度】
正社員化コースの申請には、所定の申請様式に加え、雇用条件や賃金の支払いを証明する書類が必要です。
第1期の主な申請書類
- キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)
- 正社員化コース内訳(別添様式1-1)
- 正社員化コース対象労働者詳細(別添様式1-2)
- 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
- キャリアアップ計画書の写し(変更届がある場合はその写しも含む)
- 正社員転換前後の就業規則または労働協約等の写し
- 正社員転換前後の雇用契約書または労働条件通知書等の写し
- 対象労働者の雇入日を確認できる書類(該当する場合)
- 正社員転換前後の賃金台帳等の写し
- 賃金3%以上増額の計算書
- 出勤簿・タイムカード等の写し(賃金台帳で勤務状況を確認できない場合)
- 支払方法・受取人住所届(未登録または口座変更の場合)
対象労働者の属性や申請する加算によって、追加書類が必要になります。例えば、雇入れから3年未満で一定の職歴要件により重点支援対象者となる場合は、対象者確認票(別添様式1-5)を提出します。
第2期の主な申請書類
第2期は重点支援対象者に限られます。第1期と共通する申請様式に加え、主に次の書類を確認します。
- キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)
- 正社員化コース内訳(別添様式1-1)
- 正社員化コース対象労働者詳細(別添様式1-2)
- 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
- 第2期の対象となる6か月分の賃金台帳等の写し
- 出勤簿・タイムカード等の写し(賃金台帳で勤務状況を確認できない場合)
- 第2期に賃金関係の改定があった場合の就業規則・労働協約等の写し
第2期では、第1期と比較して、合理的な理由なく賃金を引き下げていないかも確認されます。
なお、第1期に提出した書類の再提出の要否や追加書類については、管轄労働局のチェックリストに従ってください。
2026年度の申請様式はどこでダウンロードする?
2026年4月8日以降の取組に対応する申請様式は、厚生労働省の公式ページで公開されています。
キャリアアップ助成金・2026年度申請様式ダウンロード(厚生労働省)
申請前には、次の公式チェックリストも確認してください。
正社員化コース支給申請チェックリスト(2026年4月8日以降の取組)
申請期限・必要書類で間違えやすい3つのポイント
1. 正社員転換から6か月後が申請期限ではない
正社員転換から6か月経過した日が、そのまま申請開始日や締切日になるわけではありません。
対象となる6か月分の賃金が実際に支払われた日を確認し、その翌日から2か月以内に申請します。
2. 第2期は自動的に支給されない
重点支援対象者であっても、第1期の申請だけで第2期の助成金まで自動的に支給されるわけではありません。
第2期も、対象期間の賃金を支払った後、別途支給申請が必要です。
3. 労働局によって必要書類の確認が必要
厚生労働省の全国共通様式に加えて、都道府県労働局が独自のチェックリストや提出案内を公開している場合があります。
また、審査上必要と判断された追加資料の提出を求められることもあります。
申請する際は、管轄労働局の最新チェックリストと、正社員転換日に対応する年度・様式を確認してください。
よくある質問
Q. 第1期の申請を忘れた場合、第2期だけ申請できますか?
第2期は重点支援対象者に対して設けられた追加の支給対象期間です。第1期の申請漏れがある場合に第2期だけで受給できるかについては、個別事情によって確認が必要なため、管轄労働局へ相談してください。
Q. 重点支援対象者以外も12か月経過後に申請できますか?
重点支援対象者以外は原則として1期分のみです。第1期の申請期限を過ぎてから12か月経過を理由に申請できる制度ではありません。
Q. 正社員化コースの申請書類は全国共通ですか?
基本の申請様式は厚生労働省が公開しています。ただし、必要な添付資料や確認方法については、管轄労働局の案内も確認する必要があります。
まとめ|賃金支払日から申請期限を確認しよう
2026年度のキャリアアップ助成金・正社員化コースでは、第1期・第2期ともに、対象となる6か月分の賃金支払日の翌日から2か月以内が支給申請期間です。
第2期を申請できるのは重点支援対象者に限られます。まず対象労働者の区分を確認し、給与支払日から申請期限を把握してください。
あわせて、キャリアアップ計画の事前提出、就業規則の整備、賃金3%以上の増額、必要書類の準備を確認しておくと、申請時の不備を防ぎやすくなります。
※2026年11月8日時点の公式公開資料を確認して作成。正社員転換日や個別の雇用状況により適用される要件・様式が異なる場合があります。
参考:厚生労働省 正社員化コース案内(令和8年4月8日版)/キャリアアップ助成金Q&A(令和8年7月29日版)/正社員化コース支給申請チェックリスト/申請様式ダウンロード