小規模事業者持続化補助金の「創業型」は、創業間もない小規模事業者の販路開拓を支援する補助金です。
2026年の第4回公募では、補助上限額200万円、補助率2/3。インボイス特例の要件を満たす場合は、上限が最大250万円になります。
ただし、創業型は開業したばかりなら誰でも申請できるわけではありません。開業日と特定創業支援等事業による支援を受けた日の両方が、公募締切から過去1年以内にあることが主な条件です。
この記事では、2026年第4回公募の創業型について、対象者、特定創業支援等事業の証明書、補助額、一般型通常枠との違い、必要書類と申請時の注意点を解説します。
小規模事業者持続化補助金の創業型とは?
創業型は、創業後1年以内の小規模事業者等が行う販路開拓や、それとあわせて実施する業務効率化の取組を支援する制度です。
新規顧客の獲得、商品・サービスの販売促進、店舗の集客力向上など、経営計画に基づく事業に必要な経費の一部が補助されます。
2026年第4回公募の概要は次のとおりです。
| 項目 | 第4回公募の内容 |
|---|---|
| 制度名 | 小規模事業者持続化補助金<創業型> |
| 主な対象 | 創業後1年以内の小規模事業者等 |
| 創業支援の要件 | 特定創業支援等事業による支援を受けていること |
| 補助上限額 | 200万円 |
| 補助率 | 2/3 |
| インボイス特例 | 上限50万円上乗せ(最大250万円) |
| 申請方法 | 電子申請のみ |
| 申請締切 | 2026年12月15日(火)17:00 |
創業型は補助金のため、採択審査があります。また、採択された場合でも、補助対象経費の全額が支給されるわけではありません。
旧「創業枠」と創業型の関係
小規模事業者持続化補助金には、以前「創業枠」と呼ばれる枠が設けられていました。現在は「創業型」として、創業間もない事業者向けの公募が行われています。
ただし、旧創業枠と現在の創業型を、条件まで同じ制度として扱うことはできません。
補助上限額が200万円という共通点はありますが、対象となる創業時期や必要な手続きは公募回によって異なります。過去の「創業枠」の解説ではなく、申請する回の「創業型」の公募要領を確認する必要があります。
創業型の対象者は?2026年第4回は創業後1年以内
2026年第4回公募の創業型では、主に次の条件を満たす必要があります。
- 日本国内に所在する小規模事業者等である
- 開業日または会社設立日が公募締切から過去1年以内である
- 特定創業支援等事業による支援を受けた日も、公募締切から過去1年以内である
- 商工会・商工会議所の支援を受けながら販路開拓に取り組む
- 過去の採択歴などに関する申請制限に該当しない
創業型で特に間違えやすいのは、開業日だけでなく、特定創業支援等事業による支援を受けた日にも期限があることです。
「創業後3年以内」ではなく「1年以内」
過去の創業型には、創業後3年以内を対象とした公募がありました。しかし、2026年第4回公募では、開業日と特定創業支援等事業による支援日が公募締切から過去1年以内であることが求められています。
第4回の申請締切は2026年12月15日です。
そのため、対象期間を確認する際は、単純に「2026年に開業したから対象」と判断するのではなく、開業日と支援を受けた日の両方を確認してください。
期間の境界日の取扱いについても、公募要領と関連資料で確認する必要があります。
小規模事業者の従業員数の条件
創業型は、小規模事業者等を対象とする制度です。業種ごとの従業員数の基準は次のとおりです。
| 業種 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| 宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
個人事業主本人や会社役員などは、原則としてこの従業員数に含めません。パート・アルバイトについても、雇用条件によって取扱いが異なります。
個人事業主や一人で開業した人も対象になる?
個人事業主も、創業型の対象になり得ます。従業員を雇用していない一人事業主でも、ほかの申請要件を満たせば応募できます。
ただし、個人事業主の場合、特定創業支援等事業による支援を受けるのは事業主本人でなければなりません。家族や後継予定者が代わりに支援を受けても、本人の要件を満たしたことにはなりません。
特定創業支援等事業とは?創業型で必要な証明書
創業型の申請で、通常の持続化補助金と大きく異なるのが「特定創業支援等事業」の要件です。
特定創業支援等事業とは、認定市区町村や認定連携創業支援等事業者が実施する、創業者向けの継続的な支援です。
創業塾や創業セミナー、個別相談などが該当する場合がありますが、一般的な創業セミナーに参加しただけで、必ず特定創業支援等事業を受けたことになるわけではありません。
どこで支援を受けられる?
特定創業支援等事業の実施内容は、市区町村によって異なります。
まずは、創業を予定している地域や所在地の市区町村に、認定された特定創業支援等事業があるか確認してください。
確認する際は、次の点を問い合わせると手続きが進めやすくなります。
- どの講座・相談が特定創業支援等事業に該当するか
- 支援を受けるために必要な回数や期間
- 証明書の発行条件
- 証明書の発行までにかかる期間
- 創業型第4回公募の申請要件に対応できるか
創業型では支援を受けた日にも条件があるため、証明書を取得できるかだけでなく、支援日も確認しましょう。
証明書は市区町村が発行する
創業型の申請には、特定創業支援等事業による支援を受けたことを証明する書類が必要です。
証明書は、特定創業支援等事業の実施元である認定市区町村が発行します。商工会議所などが支援を実施した場合でも、補助金申請に必要な証明書については認定市区町村に確認してください。
なお、第4回公募では、証明書の有効期限が切れていても、公募の申請要件を満たしていれば提出書類として認められます。
証明書の発行日と、実際に支援を受けた日は別です。
申請要件を判断する際は、証明書が発行された日だけを見ず、特定創業支援等事業による支援を受けた日が対象期間内か確認してください。
別の市区町村で支援を受けた場合は?
特定創業支援等事業による支援を受けた地域と、実際に創業した地域が異なる場合でも、創業型の対象になり得ます。
ただし、認定された特定創業支援等事業による支援であることや、支援日・開業日の条件を満たす必要があります。
開業前・開業準備中でも創業型に申請できる?
創業型では、申請時点で商品やサービスの販売を開始していない事業者も、一定の条件を満たせば対象になり得ます。
例えば、次のような状態です。
- 開業済みで、店舗のオープン準備を進めている
- 開業済みで、ECモールへの出店準備をしている
- 法人設立済みで、営業活動の開始を準備している
ただし、申請時点で開業していない創業予定者は対象外です。
個人事業主であれば開業届に記載された開業日、法人であれば登記事項証明書に記載された会社成立年月日などによって確認します。
事業活動を開始していなくても、補助事業終了までには開始が必要
創業型では、開業後であっても販売準備中の段階から申請できる場合があります。
一方、補助事業終了までには、商品またはサービスの提供を開始し、実際に事業活動を開始する必要があります。
この要件を満たさない場合、補助金は交付されません。
法人成りした場合は開業日の判定に注意
個人事業主から法人化した場合、法人の設立日だけで創業型の対象になるとは限りません。
第4回公募では、個人事業の開業日から1年を経過している場合は申請できないとされています。
例えば、長年続けていた個人事業を最近法人化したからといって、創業型の対象になるわけではありません。
創業型の補助額は最大200万円、インボイス特例で250万円
創業型第4回公募の補助上限額は200万円、補助率は2/3です。
必要な経費を全額補助してもらえる制度ではないため、自己負担分を用意する必要があります。
補助対象経費による補助金額の計算例
| 補助対象経費 | 補助率2/3での計算額 | 創業型の補助額 |
|---|---|---|
| 90万円 | 60万円 | 60万円 |
| 150万円 | 100万円 | 100万円 |
| 300万円 | 200万円 | 200万円 |
| 450万円 | 300万円 | 上限200万円 |
※補助対象経費がすべて認められ、通常の補助率2/3が適用される場合の計算例です。
補助金200万円を受け取るには、原則として300万円以上の補助対象経費が必要です。
また、補助金は後払いなので、補助事業を実施する際には必要な費用を先に支払う資金計画が求められます。
インボイス特例で50万円上乗せ
創業型では、インボイス特例の要件を満たす場合、補助上限額が50万円上乗せされ、最大250万円となります。
第4回公募では、2023年10月1日以降に創業し、補助事業終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受けていることが要件です。
ただし、インボイス特例を希望して要件を満たせなかった場合、上乗せ50万円だけでなく補助金全体が交付されません。
創業型と一般型通常枠の違い
小規模事業者持続化補助金には、創業型のほかに一般型通常枠があります。
どちらも販路開拓を支援する制度ですが、対象者や補助上限額、特例の仕組みに違いがあります。
| 項目 | 創業型(第4回) | 一般型通常枠(第20回) |
|---|---|---|
| 主な対象 | 創業後1年以内の小規模事業者等 | 所定の要件を満たす小規模事業者等 |
| 特定創業支援等事業 | 必要 | 通常の申請要件としては不要 |
| 基本の補助上限額 | 200万円 | 50万円 |
| 基本の補助率 | 2/3 | 2/3 |
| インボイス特例 | 50万円上乗せ | 50万円上乗せ |
| 賃金引上げ特例 | なし | 150万円上乗せ |
| 申請方式 | 電子申請 | 電子申請 |
創業型の条件を満たすなら、補助上限額が大きい
創業型は基本の補助上限額が200万円で、一般型通常枠の50万円より大きく設定されています。
ただし、創業型を選ぶには、創業時期や特定創業支援等事業の条件を満たす必要があります。
一般型通常枠にも賃金引上げ特例などによる上限引上げの仕組みがあるため、事業者ごとに適した申請先は異なります。
創業型と一般型は同時に申請できない
創業型と一般型通常枠の重複申請はできません。
第4回公募では、一般型通常枠に申請中または採択を受けている事業者や、採択を受けて補助事業を実施した事業者などについても申請制限があります。
過去に持続化補助金を利用したことがある場合は、今回の申請が可能か、採択歴と実施歴を確認してください。
創業型で補助対象となる主な経費
創業型では、経営計画に基づく販路開拓等に必要な経費が対象です。
| 経費区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 機械装置等費 | 販路開拓に必要な機械・設備の導入 |
| 広報費 | チラシ、広告、看板など |
| ウェブサイト関連費 | 販売用サイトやECサイト、システム等の構築・改修 |
| 展示会等出展費 | 展示会や商談会への出展 |
| 旅費 | 販路開拓に必要な出張 |
| 新商品開発費 | 試作品や新たな包装パッケージの開発 |
| 借料 | 事業に直接必要な機器や会場等の賃借 |
| 委託・外注費 | 店舗改装など、自社で実施困難な業務の外注 |
ただし、上記の区分に該当するからといって、すべての支出が補助対象になるわけではありません。
例えば、パソコンやタブレットなどの汎用性が高い機器、通常の仕入れ、単なる設備更新、交付決定前に発注した経費などは、原則として対象外です。
ホームページ制作だけで申請できる?
創業型では、ウェブサイト関連費のみでの申請はできません。ほかの経費と組み合わせて申請する必要があります。
また、第4回公募ではウェブサイト関連費の補助金交付申請額に30万円の上限が設けられています。
ホームページ制作やECサイト構築を中心に考えている場合は、経費区分と上限額を先に確認しましょう。
創業時の費用なら何でも対象になるわけではない
創業型は、開業に伴うすべての費用を補助する制度ではありません。
店舗の保証金・敷金、通常の消耗品、一般的な事務用品、既存事業の通常経費などは対象外となります。
創業に必要という理由だけではなく、補助事業計画に基づく販路開拓等との関係を説明できることが必要です。
2026年第4回公募の申請スケジュール
創業型第4回公募の主な日程は次のとおりです。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募要領公開 | 2026年5月27日(水) |
| 申請受付開始 | 2026年11月5日(木) |
| 様式4発行依頼期限 | 2026年12月4日(金) |
| 申請受付締切 | 2026年12月15日(火)17:00 |
| 採択発表 | 2027年3月頃(予定) |
| 補助事業実施期限 | 2028年3月31日(金) |
| 実績報告書提出期限 | 2028年4月10日(月) |
※日程は変更される場合があります。補助事業を早く終了した場合は、終了日から30日後または実績報告書提出期限のいずれか早い日までに提出します。
創業型では、特定創業支援等事業の証明書と、商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)の両方が必要です。
これらは発行元が異なるため、同時並行で確認することをおすすめします。
創業型の申請方法と必要書類
創業型第4回公募は電子申請のみで受け付けます。郵送での申請はできません。
申請までの基本的な流れ
- 創業型の対象要件を確認する
- 特定創業支援等事業を受け、証明書を取得する
- GビズIDを準備する
- 経営計画書・補助事業計画書を作成する
- 商工会・商工会議所へ様式4の発行を依頼する
- 必要書類をそろえ、Jグランツから電子申請する
様式4の発行には時間を要する場合があります。発行依頼の締切は2026年12月4日なので、12月15日の申請締切まで待たずに手続きを進めてください。
創業型で必要となる主な書類
- 申請書(様式1)
- 経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)
- 補助事業計画書②(様式3)
- 事業支援計画書(様式4)
- 補助金交付申請書(様式5)
- 宣誓・同意書(様式6)
- 特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書
- 法人の場合は登記事項証明書、個人事業主の場合は開業届
- 決算・確定申告関係書類または該当する代替書類
特定創業支援等事業で作成した創業計画書等がある場合は、その書類も提出します。ただし、創業計画書等を作成していないことだけを理由に不採択や減点となるわけではありません。
また、創業直後で決算期を迎えていない事業者や、まだ事業活動を開始していない事業者には、書類の代替・提出時期について特別な取扱いがあります。
創業型第4回公募では、一般型通常枠とは申請書類の作成・添付方法が異なります。創業型の様式とJグランツの申請入力手引きを使用してください。
創業型の申請前に注意したい5つのこと
1.特定創業支援等事業の証明書を早めに確認する
証明書の発行には、市区町村での確認手続きが必要です。支援の受講が終わっていない場合は、補助金の申請期限までに必要な支援を受けられるかも確認してください。
2.開業日と支援日の両方を確認する
第4回公募では、開業日だけでなく特定創業支援等事業による支援日にも1年以内という条件があります。
開業届や登記事項証明書、特定創業支援等事業の証明書を照らし合わせて確認しましょう。
3.採択前に発注しない
創業型の補助対象経費は、原則として交付決定日以降に発生したものに限られます。
採択通知を受け取っただけでは発注・契約・支払いを始められません。開業準備で先に購入する設備などは、特に注意が必要です。
4.補助金が入るまでの資金を準備する
創業型は精算払いの補助金です。補助事業の経費を支払い、実績報告の審査を経た後に補助金が交付されます。
自己負担分だけでなく、入金までに必要となる資金を確保する必要があります。
5.事業活動開始の予定を明確にする
申請時に販売やサービス提供を始めていない場合でも、補助事業終了までに事業活動を開始する必要があります。
店舗の開店日やサービス開始時期、顧客獲得の取組を事業計画に具体的に記載しましょう。
創業型に関するよくある質問
Q.創業型は開業してから3年以内なら申請できますか?
2026年第4回公募では、創業後3年以内ではなく、開業日および特定創業支援等事業による支援を受けた日が、公募締切から過去1年以内であることが要件です。
過年度の要件と混同しないように注意してください。
Q.個人事業主でも創業型を利用できますか?
はい。個人事業主も、創業時期や特定創業支援等事業などの要件を満たせば対象になります。従業員を雇用していない一人事業主でも申請できます。
Q.創業セミナーに参加すれば申請できますか?
すべての創業セミナーが対象になるわけではありません。認定市区町村等が実施する特定創業支援等事業に該当し、所定の支援を受けたことが必要です。
申請には認定市区町村が発行する証明書を用意します。
Q.まだ店舗をオープンしていなくても対象ですか?
開業済みで店舗のオープン準備中であるなど、一定の条件を満たす場合は対象になり得ます。ただし、申請時点で開業していない創業予定者は対象外です。
また、補助事業終了までに商品またはサービスの提供を開始する必要があります。
Q.創業型と一般型通常枠の両方に申請できますか?
いいえ。創業型と一般型通常枠を重複して申請することはできません。
Q.創業型の補助金200万円は返済が必要ですか?
適正に交付された補助金は、原則として融資のように返済する必要はありません。
ただし、交付条件に違反した場合や不正受給が判明した場合などには、交付決定の取消しや返還を求められることがあります。
まとめ:創業型は200万円の上限だけでなく、開業日と支援日の確認が必要
小規模事業者持続化補助金<創業型>の2026年第4回公募は、創業後1年以内の小規模事業者等を対象とする販路開拓支援制度です。
補助上限額は200万円、補助率は2/3で、インボイス特例の要件を満たす場合は最大250万円となります。
申請を検討する際は、開業日・特定創業支援等事業による支援日・証明書・様式4の4点を早めに確認してください。
特に2026年第4回公募では、過去の「創業後3年以内」ではなく「公募締切から過去1年以内」が条件です。対象期間に該当するかを確認したうえで、事業計画と申請書類を準備しましょう。
参考:小規模事業者持続化補助金<創業型>第4回公募 公募要領(第8版・2026年5月27日)/中小企業庁「小規模事業者持続化補助金<創業型>(第4回)」/創業型補助金事務局公式サイト
https://r6.jizokukahojokin.info/sogyo/
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260527001.html